時のかけら~統制陶器~

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 立体である湯呑や茶碗は横幅に制限があるので『絵画』として考える時には窮屈なようにも感じる。これは日本人に染み付いた絵画における『余白の美』に由来するものではないかと考えられる。

 富士山文様の皿を見てみましょう。

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 岐223の盃受け 吹き墨・富士山 高台内に凸印 直径7.6センチ

 盃受けは盃のためのソーサーといえばわかりやすい。今ではその存在も消えてしまったのではないだろうか。ソーサーのように中央部にくぼんだ部分があり、そこに盃をのせる。これにのせる盃もあるいは吹き墨・富士山だったのかもしれない。

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 岐1104の皿 吹き墨・富士山 高台内にクロム印 直径12.9センチ

 皿ならではの余白を生かした吹き墨の富士山文様。『霊峰・富士』の名にふさわしい雰囲気がよく出ている。

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 『美濃窯業』銘の小皿 吹き墨・富士山文様 高台内に『美濃窯業』銘 直径9.7センチ

 上記の皿と比べると少し絵付けが甘い感じがある。製造時期は不明だがこの会社は緑二重線入り食器類をたくさん生産している会社で一般向け食器類はあまり見かけない。
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by richouken04 | 2008-01-19 21:37 | 岐(岐阜県東濃地区)
 今日は吹き墨の茶碗でも多色吹き墨の茶碗を紹介します。

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 岐93の茶碗 多色吹き墨・一富士・二鷹・三なすび(初夢) 高台内に凸印

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 岐1066の茶碗 多色吹き墨・一富士・二鷹・三なすび(初夢) 高台内にクロム印

 おめでたい初夢の文様を取り上げている。『鷹』は表現するには難しいためかただの鳥のようにも見える。別の物では羽だけでそれとわかるよう表現している例も見られる。

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 岐1142の茶碗 多色吹き墨・松原と富士山 高台内に凸印

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 岐1156の茶碗 多色吹き墨・荒波と富士山 高台内に凹印

 多色吹き墨の茶碗は単色吹き墨の茶碗と比べて数が少ないのか人気があるのかなかなか出てきません。絵柄はおめでたいものも存在しますので昭和16、17年ごろか、戦後になってからの製品ではないかと思われます。
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by richouken04 | 2008-01-14 23:54 | 岐(岐阜県東濃地区)
 湯呑は2つの形状(筒型・碗型)がありますが富士山の吹き墨の筒型湯呑はあまり見かけません。

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 先日の物と構図はほぼ同じですが雪をかぶった富士山の頂上部分は異なります。高台内に『岐382』のクロム印が付いています。サイズは測り忘れ。

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 こちらも構図は似ていますが、細部について見るとやはり違います。高台内に『岐396』のクロム印が付いています。サイズは直径6.7センチ、高さ6.7センチです。

 同じような構図でたくさんのうつわが焼かれています。どれも細部を見るとそれぞれ少しづつ違っていて間違い探しのようで面白いです。
 
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by richouken04 | 2008-01-06 20:17 | 岐(岐阜県東濃地区)

岐500の軍隊食器

 民間用の食器類をたくさん造った東濃地区(岐阜県)ですが、軍隊向けと思われる星章・錨章が入ったものとなると見かけない。一番最初、収集当初に買い損ねた1点と今日紹介する1点しか見たことがない。もっとあってしかるべきでもあるのだけれど、不思議なものです。

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 星章が内側に銅版転写によってつけられています。名陶も内側で、肥前・有田は外側と東西で違う点は面白いところです。口淵を特に厚く造って落下時の破損を防ぐ工夫がなされています。

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 銅版転写特有のキレと細かな粒状の塗りつぶし部がよくわかるかと思います。

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 高台面も名陶製の軍隊食器に酷似しています。ただ、造り自体は一窯元であるためかよくありません。高台内に『岐500』のクロム釉印がつけられています。サイズは直径15センチ、高さ6センチ。

 これは北海道の業者さんから入手しました。東北・北海道方面に出荷されたものだったのかもしれません。
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by richouken04 | 2007-08-21 11:12 | 岐(岐阜県東濃地区)

肥28の軍隊食器

 収集を初めて4年ほど、多く見た生産者は先日の『名陶』と今日紹介する『肥28』の統制番号を持つ会社。陶磁器生産こそ終了しているが会社はまだ存続しています。また、工場は『志田焼の里博物館』として公開されています。

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 食器のうち茶碗と思われるものです。名陶と比べると立ち上がりの形状が違っています。一般的に考える茶碗の形に似ています。それでも口縁部のつくりは丸く仕上げてありますので独特といえます。上からの写真はありませんが頑丈に作ってあります。

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 高台内には『肥28』のクロム釉印が付けられています。造りがちょっと雑なところがあって、窯割れ・カゲ・甘焼き・釉薬の流れ跡・鉄班点・降り物などおよそ不良品と判断されるようなものがたくさん見てきました。これはまだきれいなものです。それでも高台部分は釉薬の掛かり方など雑です。」 サイズはh駆り忘れ

 もう一つ、皿のタイプです。

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 これも名陶の皿と思うと丸く円を描くものなので一般的な皿に近いところがあります。口縁部のつくりは丸く仕上げてあります。

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 高台内には『肥28』とクロム釉印が付けられています。サイズは直径13.6×高さ6センチ

 肥28のこれらの食器はデッドストックされていたもののようです。軍部からの発注で製造はしたものの、うまく焼けなかったものや納入されること無く終戦を迎えたのでしょう。
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by richouken04 | 2007-08-06 17:17 | その他産地

瀬716の国民食器

 九州の昭ちゃんさんからリクエストがありましたので、丼を紹介します。これが記憶に残るものかどうかは分かりませんが、この形のものが一番数の出てくる形状です。(ただし蓋を伴うものは少ないです)

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 いつも『岐』(東濃地区)カテゴリーばかりなので瀬戸のものです。実は国民食器と呼ばれる緑二重線の食器で統制番号を伴うあるいは生産者が判別できるものはほとんどが岐阜県東濃地区で生産されたものなのです。
 『瀬』(愛知県瀬戸市)で数点、『品』(愛知県旧品野村・現瀬戸市)で一点を数えるだけです。他の産地(有田や万古)では確認していません。このことも不思議なところです。

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 蓋を取ったところです。形は今でも見る丼の形と同じです。

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 蓋の側面。

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 蓋を上から。蓋には統制番号は付けなかったようです。

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 丼の高台内には『瀬716』とクロム釉印が付けられています。サイズは丼が直径15センチ、高さ7.4センチ、蓋が直径13.9センチ、高さ3.8センチ。

 ブログに掲載できる画像のサイズに制限がありますが、上部2つのみサイズを大きめにしています。なるたけ画質を落とさないようにしましたが、印刷時に画質は落ちてしまうかもしれません。
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by richouken04 | 2007-07-14 01:41 | 瀬・セ(愛知県瀬戸市)

岐122の国民食器

 今も昔もどこの場所でも戦時においてはいろいろなスローガンが使用され、いろいろな媒体で宣伝される。これもそんな一つ。

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 『臣道実践(しんどうじっせん) 文麿 (印)』とある国民食器。臣道実践は当時よく宣伝されたもの。国民をいちがんとするためのスローガンなれど、理解するにはちょっと難しい言葉だと思います。
 近衛文麿は首相にもなった人物で終戦時に服毒自殺を遂げました。

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 反対側には『大政翼賛会』のマークが付けられています。隣組の歌詞が付いた湯呑ではおなじみのマークです。戦後の人には仮面ライダーのショッカーのシンボルマークに似ていると感じるかもしれません。
 もとはおそらく『金鵄』を図案化したものだと思いますが・・・。

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 高台内には『岐122』のクロム釉印が付けられています。サイズは直径7.4センチ、高さ7.2センチ。
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by richouken04 | 2007-07-12 01:50 | 岐(岐阜県東濃地区)

岐425の子供茶碗

 もどきの子供茶碗から離れてちゃんとしたものを紹介していきます。
 子供茶碗には子供が楽しむ図柄だけではなく、時代を反映した図柄も数多く取り入れられている。戦時標語が入ったものも数が多い。強い口調のものもあるがやさしいものも。

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 『マワシテ チヨウダイ カイランバン』。隣組制度は昭和15年よりはじまり生活の一部として機能を果たした。特に金属特別回収や国債の購入・貯金の奨励など国の政策協力へのお願いが主流だった。
 回覧板をまわすことは子供の役目とされることが多いようで(親は何かと忙しいので)当時の風俗を描く際はよく用いられる。この図柄もそれを表している。

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 別面には家の窓から顔を出した大人の笑顔。『トントン トンカラリト トナリグミ』。お隣同士仲良くやってゆきましょうということであろう。左はご婦人のみで旦那さんが出征されているのだろう、隣の男性も精かんな顔つきなのでその後出征されたのかも・・・。

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 高台にはちょっとぼやけているが『岐425』と読めるクロム印が付けられている。『岐425』の窯元からその前後の番号は子供茶碗を多く生産しています。この番号が付いた破片が出てきたら高台の大きさにもよりますが子供茶碗と考えてよいでしょう。
 サイズは直径9.6センチ、高さ4.6センチ。
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by richouken04 | 2007-05-24 18:54 | 岐(岐阜県東濃地区)

瀬258の湯呑

 子供用に造られた食器とどこで判断するかは実は難しいところがある。男の子であればこの時代だと軍隊・戦場を思わせるものを絵柄とすることが多い。今日紹介するものなどもその一つ。

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 石版転写と思われる絵付けで軍艦を描いている。海原を勇壮に進むような図柄にしたらもっといいのにと思うのは今を生きるわれわれの欲か?軍艦自体はかなりリアルに描いているのでこの分野に詳しい方であればどのような名前の軍艦かもわかるのではなかろうか。

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 反対面には絵が少しはがれてしまっているがドルニエ型とよばれる飛行機が描かれている。今から見るととてもユニークな形をした飛行機だが当時は一般的な飛行機として使用されていたらしい。
 ちょうどはがれてしまっている部分に何台かのプロペラが並ぶ構造です。以前『岐436の子供茶碗』として紹介した中の一面がこの飛行機の図柄でした。

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 高台の中には非常に小さいのですが『瀬258』のクロム印が付けられています。クロムは緑色に発色する顔料で分量によっては水色にも発色します。先日の青磁皿もクロムが入っているかもしれません。サイズは直径7.3センチ、高さ5センチ。
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by richouken04 | 2007-05-09 01:26 | 瀬・セ(愛知県瀬戸市)

戦時下(S15~S21)に焼かれたやきものを中心として


by richouken04